先日、市役所で確定申告の時期に開催される「無料申告相談」の相談員として1日サポート対応する機会がありました。
会場には複数のブースが設置されていて、順番に申込者の対応をしていくのが例年の流れなのですが、
今年は昨年までと違って、税務署がいわゆる「スマホ申告」を広めることに力をいれているようで、
私が担当するブースはこのスマホ申告を行う人専用のブースになっていました。
ということで、1日サポートしてみて「スマホ申告」に対して感じたことを記事にしてみようと思います。
スマホで確定申告は事前準備のハードルが高い
無料相談会場ではスマホ申告を積極的に希望する人は少ない印象
1日しか対応していないので何とも言えない点がありますが、当日スマホ申告を希望される人がかなり少ない印象でした。
市役所で開催される無料の確定申告の相談は毎年継続して利用されている人が多く、
年齢層も50~70代が多いように感じます。(肌感覚的には7割以上)
そういった申込者の方は申告を無料でサポートしてくれるのであれば従来通りの紙媒体での申告でも問題ない、
わざわざスマホで申告しなくてもいいという人が多いのだと現場で感じました。
毎年持参している必要書類をきちんと準備して、担当者に渡せば申告書ができあがる。という実態がある以上、これはある程度仕方がないというか、どうしようもないことではないかと。
高齢の人のなかにはスマホの使い方に不安を持っている人も一定数いますし、
「なんとなく難しそうなこと」にチャレンジする必要もないでしょう。
スマホ申告には2種類の暗証番号が必要
このスマホ申告、当然その存在は知ってはいますが、現時点ではすべての人にお勧めできるものではないです。
なぜか。
スマホ申告に必要なマイナンバーカードの暗証番号をきちんとご自身で把握できている人が少ないからです。
スマホ申告をする際には2種類のパスワードが必要になります。
一つは「利用者証明用」のパスワード。
これは病院を受診した際の受付をマイナンバーカードで行っている人には馴染みがある、あの「4桁」のパスワードになります。
それともう一つは「署名用電子証明書」のための最低6桁のパスワードです。
この「署名用電子証明書」のためのパスワードですが、普段生活していると利用する機会がほとんどないため、このパスワードをしっかり把握している人はかなり稀でしょう。
この2つのパスワードの正確な把握ができていない点がスマホ申告を難しくしていると感じます。
あとは、カードの有効期限が切れていないかどうかなども確認しないといけません。
こんな感じで、スマホ申告をするまでの「事前準備」が簡単ではないので、すべての人におススメはできないと感じています。
これに加えて、無料相談という限られた時間の中で、申込者の限られた情報をもとにスマホ申告のサポートをしないといけないので決して「手軽・簡単」とはいえません。
マイナポータルとのデータ連携なども絡んでくると余計に大変です。
パソコンで作成した国税庁の確定申告書作成コーナーのデータはスマホ申告に引き継ぐことができる
少し視点が変わりますが、その他に感じたことを書いてみます。
去年までは国税庁のホームページで公開されている「確定申告書作成コーナー」を利用して「パソコン」で申告していたが、
今回からは「スマホ申告」でやってみようという人もいると思います。
個人事業主やフリーランスの人が確定申告をする場合には、青色申告でも白色申告でも何かしらの決算書を作成する必要がありますが、
パソコンを使用して「確定申告書作成コーナー」で一度、確定申告のデータ(.dataという拡張子のファイル)を作成して保存しておくと、
翌年以降はそのデータを読み込むことで、
- 住所
- 氏名
- 生年月日
- 事業に関する売上などの基本情報
- 固定資産の情報
- 貸借対照表の科目や残高
などの項目を自動で入力してくれるので、入力の負担を軽減することができます。
これについては、スマホ申告の場合でも、パソコンで作成した・保存したデータを読み込むことができます
(以前はできなかったと記憶しているのですが、今回試してみたら読み込めました)
なので、去年まではパソコンを使って「確定申告書作成コーナー」で確定申告をしていたが、今年からはスマホで申告する場合でも、1から申告に必要な情報を入力しなおす必要はありません。
この点は便利ですし利用者のことを考えてくれているなと感じます。
とてもありがたいです。
今後の展望。スマホ申告は普及するのか?
今後、自分自身の確定申告をスマホ申告で行うかどうか
パソコンで作成した過去の確定申告データ(.data)を引き継いでスマホ申告で利用することができることは確認できました。
では今後、自分の確定申告をスマホ申告でするかと言うと、答えは現時点では「NO。」です。
その理由としては、
- 自分が個人事業主(事業所得者)であり、確定申告の際に決算書を作成する必要があること。
- スマホは画面が小さい(作業領域が狭い)と感じるからです。
青色申告決算書は毎月の売上など、入力する項目や作成する書類が割と多いので、この作業をスマホでやりたくはありません。
この点、ノートパソコンで作業をすると画面が大きく快適に入力作業をすることができます。(外付けモニターを利用するともっと快適になります。)
パソコンでタイピングして入力するほうが早く作業を終えることができるのに、わざわざスマホの小さい画面で入力して、ストレスを感じなくてもいいかなと思っています。
これはあくまで自分の価値観・感覚なので、10代・20代の人たちの感覚と、自分を含む40代以上とではまた違った価値観考え方があると思います。
10代・20代の人はスマホのほうがパソコンよりも馴染みがあるでしょうし、スマホの画面が小さくてもストレスに感じないかもしれません。
スマホの操作も早いのでスマホでの入力作業もきっと早いでしょう。
こんな感じで、何とも言えないところはあると思いますが、少なくとも40代の男性の税理士としては作業画面は大きい方が作業しやすい。
だからスマホ申告をしないという結論になります。
スマホ申告に向いている人はどんな人?
逆の視点に立つと、個人事業主・フリーランス以外の場合、例えばサラリーマンの人などにはスマホ申告は使い勝手がよいと思います。
サラリーマン・パート・アルバイトの人が
- 医療費控除だけを受ける
- ふるさと納税の控除だけを受ける
- 保険契約の満期保険金を受け取った
- 保険契約の解約保険金を受け取った
などなど、決算書を作成する必要がない場合やスマホ操作に抵抗がないのならスマホ申告は便利です。
スマホ申告が広がるかは利用者の理解力の差による
結局のところ、スマホ申告が年代を問わず普及するかどうかについては、スマホ申告に対する理解力がどれぐらいあるかによると思いますので、個人個人でかなり振れ幅があると思っています。
(悪く言うわけではないのですが)やはり相対的に見て10代、20代、30代の方の方がスマホ申告に対する理解は早く、利用の層も広がっていくのではないかと感じています。
まとめ
スマホで確定申告を完結させる「スマホ申告」について感じたことを記事にしました。
スマホ申告の機能は毎年少しずつ充実・拡大しているので、今年不便だなと感じていることが来年には解消されている可能性は十分あります。
今後のさらなるバージョンアップに期待します。
【本日の近況報告】
スキャナーを置く移動式の台をDIYしました。
机に直置きして使っているとスキャナーを持ち上げて動かすのが面倒だと感じていたので、100均でボードを買って、キャスターを取付けた台の上に置くようにしました。
製作費約1,000円。
これでスキャナーを使わない時に机の隅っこに楽に移動させることが可能に。
【本日の1曲】
バックドロップシンデレラ/スーダラ節
アイリッシュパンクバンドのFlogging MollyのSalty Dogという曲があるのですが、それを思いっきりサンプリング?してスーダラ節をカバーした1曲。
MVがYoutubeで見れますが、リスペクトを感じる映像となっております。
