会計データをもとに分析や資料作成するために気をつけたい摘要の入力方法

会計データをもとに、取引先別に売上の金額を月ごとに集計したりするなど各種資料を作成することもあると思いますが、その作成をスムーズにするために気を付けておきたい会計ソフトへの「摘要」 の入力方法を個人的な視点で整理してみようと思います。

目次

会計ソフトの摘要の入力は「揺れ」をなくすことを特に意識する

先日、こちらの書籍を読むことがありまして↓

以前に出されていた書籍『会計ソフトのすき間を埋める 経理のExcel仕事術』(2020年発行)の改訂版のような位置づけの書籍とのことですが、前回の書籍を読んでからだいぶ間があいていたので再度読んでみました。

前回の書籍が発売された以降に追加された新しいExcel関数(GROUPBY関数などなど)について、経理の作業における使いどころなどの解説が追加されているような気がします。

こちらの本は弥生会計をベースにして、Excelなどで作成した経理データを効率よく会計ソフトに取り込むための考え方やその具体的な方法が記載されていますので実務に携わっている人には特に参考になります。

で、本の内容の1つに、弥生会計などの会計データを出力して経理資料を作成する部分があり、会計データをcsvデータなどで出力してExcelで加工すると、こんな感じの取引先別の売上を月別に横に並べた、よくみかける資料が効率的に作成できますとのことでした↓

本を参考にして自分の会計データで試してみたところ、スムーズに行きませんでした。

なぜスムーズに行かなかったのか、自分の会計データを眺めてみると会計データに表記の「揺れ」があることが原因があることが判明しました。

表記の揺れとは

表記の揺れとは、同じ意味や内容を指しているにもかかわらず、異なる表記が使われている状態を指します。

例えばこんな感じで

  • 出来る と できる ←漢字とひらがなの違い
  • パソコン と PC ←外来語・カタカナ語の表記揺れ
  • 123-4567 と 123−4567 ←全角・半角の揺れ
  • 株式会社 と (株) ←略字の揺れ

のようなものが揺れになります。

会計ソフトの摘要欄には取引先や取引内容を記載することが多いので、よくある揺れとしては

上の株式会社と㈱や、全角と半角の揺れ以外に、

  • 水道代 と 水道 や 水道代 2月分 と 水道代 ←文字数の揺れ(月分の有無)
  • 〇社 事務所家賃 と 事務所家賃 〇社 ←記載の順番の揺れ

といったものもあるように思います。

揺れがあるデータは、表現している内容は同じだとしても、Excelはまったく違うデータとして認識するので、会計データに「揺れ」があると、その揺れを訂正してからでないと上記のような経理資料の作成を効率的にすることができません。

揺れたデータをExcelで訂正する作業は「モノ」によっては手間がものすごくかかります。

会計データを経理資料として使いまわすのであれば「揺れをなくす」ことを強く意識して会計データの作成をすることがとても大事だと個人的には考えています。

表記の揺れをなくすには入力のルールを決めて規則的な摘要の入力を行う

どうすれば揺れをなくせるのか、個人的な回答は入力の際のルールを決めることだと思います。

  • 半角は使用しない(全角で入力する) 
  • 取引先・会社名をまず記載して、その後に取引内容を記載する ※逆でもOK
  • ㈱などの略字で統一する

などなど絶対的な正解はないのでとにかく統一しておけばいいのかと。

税理士事務所側で記帳代行をするのであれば顧問先単位ではなく事務所単位で摘要の入力ルールとして決めておくとよりよいと思います。(面倒ではありますが)

ルール以外でも会計ソフトに搭載されている「仕訳のコピー機能」で前月のデータをコピーして入力をおこなったり、「辞書機能」を活用することで毎回同じ状態の摘要を記載することができます。

データを会計ソフトにインポートする運用をしているのであればインポートの際にデータを毎回おなじ摘要にした上で取り込むことで揺れをなくすことができます。

マネーフォワードやfreeeなどのクラウド会計であれば自動仕訳ルールの活用をすることで揺れをなくすことが可能です。

毎回手入力をすると揺れの発生リスクがでてしまうので、こういったルールや機能を使うことが揺れをださない第一歩なのかもしれません。

「月分」の記載は本当に必要かを検討する

〇月分といった摘要について絶対的に必要でないのであれば、データ分析という観点からは記載しない方がデータの加工が楽になります。

  • A社 売上 1月分
  • A社 売上 2月分

こういったデータがあるとExcelではまったく別のデータをみなされるので、冒頭のような資料を作成するためにはこの「1月分」や「2月分」を削除してあげる必要があります。

〇月分という部分のみExcelで削除することはもちろん可能ですが、加工の時にひと手間必要になり、データの加工難易度は多少上がることが否定できないため、そもそもは摘要に記載しなくてもよいのであれば記載しない方がいいです。(あくまでデータ加工の観点から)

私見ですが、消費税を支払う必要がない事業者の場合には帳簿の記載について、この「月分」はなくても特に問題にならないと思います。

まとめ

会計データをもとに分析や資料作成するために気をつけたい摘要の入力方法を記事にしました。

会計データの摘要の表記が揺れていてもExcelのスキルがある人であればマクロや関数を駆使してExcel上で揺れをなくせるのでしょうが、全員が全員そういった能力があるとは限りません。

ChatGPTなどの生成AIを利用するとExcelのスキルがなくても多少揺れをなくすこともできますが、それはそれで手間かなと。

なのでそもそもそういった作業しなくてもいいように、上流の部分である会計ソフトでデータを作成する際に今回のような点に気を付けて作成をおこなうことでデータの加工自体が不要・または楽になり、結果として会計データを経理資料として効率的に活用できるような気がしています。




【本日の近況報告】

新茶の季節になりましたので、自宅で水出し緑茶を楽しんでおります。
氷の入った冷水にティーパックを入れて5分くらい放っておくと勝手にできます。

渋みなどはなくて清涼感とほのかな甘みがあり、ジメジメした時期には気分転換になります。

【本日の1曲】

Etta James/Tell Mama

アメリカのシンガー、エタ・ジェイムズさんのヒット曲。ソウルやR&Bの要素があるような気がします。オールディーズ、バッドグッディーズ。ってやつです。

しらんけど。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次