所属税理士が独立する際に考えておくべきこと

12月の税理士試験の合格発表を踏まえて今後独立を考えている所属税理士などの人もいるかと思います。

そこで今回は所属税理士の人が独立する際に考えておくべき項目を自分なりに整理して記事にしてみようと思います。

あくまでも当記事作成時点における個人的な意見になりますのでそのあたりご承知いただければと思います。

目次

独立後の資金繰りの把握は必須

独立前の事務所から円満に退職し独立した際にいわゆる「暖簾わけ」などにより、開業時からすでに顧問先を獲得している場合には特に問題にならないのですが、顧問先が0の状態で開業する、いわゆる「0スタート」の場合には独立後の資金についてざっくりでいいので計算してみることは大切だと思います。

顧問先が0であっても毎月、生活費などの固定費は発生するわけなので、独立開業後に売り上げが0円の状態がずっと続くといつかは貯金などの蓄えが底をつくことになります。

もし売り上げが0円の場合に自己資金だけでどのくらいの期間生活することができるのか、簡単な資金繰り表など作成してデッドラインを把握することで、開業時の融資が必要なのか不要なのか、必要なのであればどのくらいの資金があれば、どのくらいの期間売り上げが0円でも耐えることができるのかを予想することができます。

独身なのか、それとも既婚なのか、既婚であれば夫婦共働きなのか、一方だけが働いているのか。独立を考えているのが男性の税理士なのか、女性の税理士なのか。

などパターンによって独立後の資金についての考え方は変わってきますのでご自身の状況に応じて一度計算してみることをお勧めします。

もし独立に対して自分以外の家族が反対している場合などには資金の見通しに関する資料を見せて説得するというのも一つの手段になるのではないでしょうか。

税務ソフトなどの仕事に必要な道具にいくらくらい必要なのかを把握する

上記の資金繰りに関係することですが、独立後に使用する税務ソフトなどの税理士業務に必要な道具をそろえるためにいくらくらいの金額が必要なのかを調べて把握しておくことも大事なことです。

最低限必要なものとしては

  • パソコン
  • 会計ソフト
  • 税務ソフト

があれば仕事はできると思いますが、現実的にはこれ以外にも

  • モニター
  • タブレット端末
  • クラウドサービス
  • スキャナー
  • プリンター

なども必要になってくると思います。

完全ペーパーレスのスタイルでいくのであればプリンターは不要ですが最初はあったほうがいいのではないかと個人的に感じます。

会計ソフトと税務ソフトを別々のメーカー(例えば会計ソフトは弥生会計、税務ソフトはJDLなどといった感じ)で準備するのか、それとも会計ソフトと税務ソフトを同じメーカー(例えば会計も税務もMJSやTKCといった感じ)に揃えていくのかによって負担金額が変わってきます。

会計ソフトと税務ソフトを別々にすると費用負担は割安になる反面、作業の効率は下がる(ひと手間かかる)印象があります。

逆に会計ソフトと税務ソフトを揃えると費用負担は割高になりますが、会計情報をデータ連携して税務書類の作成ができたりすので作業の効率は上がる印象です。

契約期間も1年更新にするのか5年などの長期契約にするのかによっても負担感が変わってきます。

また、道具ではありませんが、年間(毎月)の税理士会費の負担も計算にいれておく必要もあります。

独立前の事務所とは円満に退職できるのであれば円満退職が望ましいが。。

ケースバイケース(労働環境がブラックであったり、自身の業務量や事務所内のポジションに対して給料が安すぎるなど、円満に退職することが難しいケースがあるのも事実)なのでなんとも言えないところではあるのですが、可能であれば独立前の事務所は円満に退職するほうがいいと個人的には考えています。

あくまで個人的な想像になりますが現状の税理士業界は多かれ少なかれ人材不足の影響を受けているところが多いと思います。

  • (いわゆる)即戦力のスタッフを採用したいが求人に苦労している。
  • 業界未経験のスタッフを採用して育成したいと思っても、そもそものスタッフがなかなか見つからない。
  • 求人をかけても応募自体がない。
  • 戦力になる前に退職してしまう。

といった事務所も多いと想像します。

苦労して採用したスタッフも事務所に定着する保証はないので、採用後にすぐに居なくなってしまうことも考えられますし、業界未経験のスタッフが業務をこなすことができるようになるには

  • 会計ソフトの使い方
  • 人間関係なども含めた事務所のルール(独特かつ特有)

を覚える必要があるためそれなりに「時間」がかかります。

この点、独立することを考えている税理士の人であれば一般的な税理士業務をこなすことは問題なくできるでしょうし、会計ソフトの使い方や事務所のルールなどにもすぐに対応できるはずです。

一からスタッフを採用して育成するよりもコストパフォーマンスの観点から元職員(今回でいうところの独立した人)に外注を依頼したいと考える事務所もあるのではないでしょうか。

円満に退職し独立することができれば独立前の事務所からの仕事(いわゆる外注業務)がくる可能性がありますので可能であれば円満に退職するほうがいいと考えています。

元勤務先からの外注をうけるなんてかっこ悪い、ダサい。

独立に失敗したときの保険をかけているようでかっこ悪い。

その他、否定的な意見もあると思いますが、元勤務先からの外注を受けたら税理士失格。といった法律はないのですから、自分でどうするのか決める・判断すればよいと思います。

もちろん作業の単価が安すぎたり、勤務しているときよりも待遇が悪いなどの配慮やリスペクトのない外注は論外。しっかりと評価された単価であることが大前提ということを申し添えておきます。

まとめ

所属税理士が独立する際に考えておきたいことを記事にしました。何かの参考になれば幸いです。

あ、ちなみに自分自身は独立直前に勤務していた事務所とは円満に退職できなかったことをここに報告して筆を置かせていただきます。




【本日の近況報告】

ワードプレスのテーマを変更したのですが、以前使っていたテーマで作成したいくつかの記事に関してはレイアウトが崩れていました。

具体的には「吹き出し」といわれるLINE風のデザインが新しいテーマではうまく表現されておらず、新しいテーマで再度作り直す必要があります。

記事にアクセントをつけたり見栄えがよくなるかと思ってこういったデザインを記事に使っていたのですが、今回のようにテーマを変更することを考えると、文章に関してはLINE風の吹き出しを使ってみたり、文字にマーカーをつけたりするなどの「凝ったこと」は控えてワードプレスの標準の機能の範囲内で運用したほうがいいのではないかと思っています。

【本日の1曲】

THE YELLOW MONKEY/ホテルニュートリノ

イエモンことイエローモンキーの新曲(といっても数ヶ月前になります)がカッコいいです。ラジオで先行オンエアされていたのを初めて聴いたときからスカ調のリズムと後ろで鳴っているオルガンの感じが昔イギリスのバンドLUDESの「DEADMAN’S MUSIC」って曲とかクラッシュの再来と言われていたDead60’sあたりを思い出させます。

こういう曲がオリコンの上位になって欲しいと思います。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次